2009年01月09日

反抗期

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 (キス)
 " Who told you that you could kiss me? "
  " Almost everybody"

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今日も30分で書いた超短編です。
これ、シリーズ化するのか、
息切れして直ぐやめるのか、
わからない。
30分というのがつらいことはつらいね。
でも30分以上だと、結局考えすぎて
完成しないような気がする。
後から推敲の手を加えるのはいいとしてもね。


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『反抗期』



ひと月ほど前から私の十四歳の娘レミは反抗期である。
こちらとしても娘の気持ちを逆なでするようなことはいうまいと
懸命の努力をしているが、何せ反抗期なので
どうにも対処に苦慮しているというのが正直なところである。
それに「新反抗期法」というのが施行されて以来、
反抗期の娘に逆らえば、刑務所行きになるというから
こちらもつい低姿勢にならざるをえない。
たとえば昨晩はこういう屈辱的なことがあった。
「なあ、片平よ(これは私たちの苗字である)、
 なんか手めえの顔がブー・フー・ウーのブーに見えてきたぜ。
 なんとかならんのかそのツラ、えっ!」
たしかに私は最近太ってきたが、娘にブー・フー・ウーの
ブーみたいな顔だとバカにされるいわれはない。
「なんて口の利き方をするんだ。もっと子供らしい話し方を
 しなさい」と私は冷静にさとした。
「アホ、抜かせ。どんなしゃべり方したって、
 こっちの勝手だろうがよ。
 それによ、子供らしいしゃべり方ってなんだよ、既成のものを
 子供に押し付ける気かよ」
レミはますます悪態をつくようになる。
「そじゃなくってさ、もっと丁寧なしゃべり方をしなさいと
 言ってるんだ」
「ふざけんな!いまは反抗期なんだからよ、
 まともに反抗期やらせろってんだよ。なあ、モクあるか?」
「未成年は煙草はいかん」
「反抗期なんだからいいんだよ。反抗期を脱したらよ
 なんとか禁煙すっからよ」
「駄目なものは駄目だ」
「今日はずいぶん堅いこと言うじゃねえか。ほんなら、片平がよ、
 おふくろとどうやってあたいを作ったか、コクってみろや、
 よう、どうやって作ったんだよ、このスケベ野郎が!」
「ママと二人で、コウノトリさんを呼んだんだ」
「ざけんなよ、ナメとんのか!なにがコウノトリだ。
 あたいらがなんも知らんと思っとんのか!ドタマ、かち割るぞ」
 反抗期の娘っちゅうのはな、なんでもお見通しなんじゃい」
「なら聞くなよ」
私はふてくされた返事をした。
「なんじゃと、われ、反抗期の娘に逆らうんかい、それ犯罪やぞ。
新反抗期法知らんのか! 刑務所行きとうなかったら、
はよ土下座して謝れ」
こうなったら手のつけようがない。
とりあえず謝るに越したことはない。
「まことに申し訳ありませんでした」
「もっと身ーいれんかい、身ーを。テレビの謝罪会見みたいに
 やれや」娘は手をゆるめない。
「このたびは私の不手際で、申し訳ありませんでした」
「ようし、やればできるやないか、それだよ、それ」
こんなことがあった後、
今朝になって、
洗面所のなかでケータイで話しているレミの声を
偶然私は聞いたのである。
「えっ、マーくん、ほんと〜ゥ?
 わたしの声がそんなに好きなの〜ゥ、
 レミ、うれしーい!
 iPodで毎晩聞きたいって〜っ? マジ〜?」
私はなんだか腹が立ってきて、
「新反抗期法」がむやみに悪法に思えてきた。
世の親たちはどうなんだろう、
これでいいと思ってるんだろうか?





posted by ハルナリー at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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