2017年11月19日

キアヌヘ贈る詩(うた)



キアヌがドラッグディーラーの犯罪者の子だとは知らなかった。
キアヌが子供のころから失読症だったとは知らなかった。
キアヌと恋人とのあいだの子が死産、
その一年後、恋人も交通事故死していることは知らなかった。
悲しすぎる。
キアヌは『スタンドバイミー』のリヴァー・フェニックスの親友で、
その親友をコカイン過剰摂取で失くしている。
若い時に親友を失くすことは、その人の一生に影響していく。
(リヴァー・フェニックスは子供の頃、
カルト宗教にはまっていた両親に引きずりまわされるように
南米を転々としている。これもメチャクチャ悲しい少年俳優の
ストーリーだ。ちなみにリヴァーの弟は
実力派俳優ホアキン・フェニックスでウディ・アレンの
『教授のおかしな妄想殺人』に主演している。)
キアヌが今でも平気で地下鉄に乗っているとは知らなかった。
キアヌが寄付ばかりする人だとは知らなかった。
キアヌがホームレスに朝食を供応していることは知らなかった。
キアヌがボディガードを雇っていないとは知らなかった。
キアヌが邸宅や自家用飛行機を所有していないとは知らなかった。
キアヌが「良いことしろよ、明日はもっと悪いことになるかも
知れないんだからさ、それからフォーカス写真なんかの表面だけ
信じちゃだめだよ。おれはハッピーガイなんだよ。キアヌ」
なんていう人だとは知らなかった。
リヴァーのことはほんとうに気の毒に思うよ。若かったからとくにね。
おれにも30の頃、割腹自殺した友人がいたから、わかるんだよ、
もちろん全部じゃないけどね。キアヌ、頑張ってってくれよな。
そういうと「おれはハッピーガイだよって」返されるかも
しれないけどさ。いいんだよ。おれもいつだって
「ハッピーハッピー」っていってるからさ。口癖なんだよ。







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2017年11月18日

十畳図書館



空に向かって口をあけ
舌で掬って受け止める
冷たき秋の終わりのしずく
うまいなあ、ぼくは目を輝かせ
霧にすっぽりつつまれた
森の小屋から流れくる
音符のさきを目でおえば
野面の向こうに十畳図書館
それこそこっそり建てられている
沈黙板の材料で
音楽ゆれする構造の
館の木目にふれる指
手先にちらちら光は踊り
入りたいなあ、とあなたはいう
誰かが時を止めようとしている気配がして
時を吸い取る楢の木なのか、
ときなめ岩のせいなのか
いや色褪せた記憶の砂ぼこり
たたずむ小さきシルエット
それはまるでぼくのようですね 
止めないで飛ばないで手をつないでて
板の壁に落書きされた奇妙な曲線は
もう来てしまった未来のしるし
あなたはぜんまい、キノコ、ヤマゴボウ
山からかかえて来てくれた
さあ作りましょう、おししい何かを
すすっと上がったあなたに脚はなく
脱ぎ捨てられた靴もない
さあ、さあ、さあと、声はするのだけれど














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2017年11月17日

弾丸



弾丸は眼に見えないものである
手のひらに乗せればホラちゃんと見えるのに
物にスピードが加わると見えなくなる
世界は錯視だらけで廻っている
眼の価値は真贋を決めるためにあるのではない
真贋のためには心眼がある
いやだなまた駄洒落てしまった
ぼくは日本人すぎる
言うとびっくりされるだろうが
日本人の歴史も儀式も何だって格式高い物は
駄洒落でできている
話は脱線につぐ脱線になってしまった
話の本質というのはそうしたものである
これは話なのか詩なのかという問題にはいきたくない
アゴタ・クリストフの言い草ではないが
どっちでもいい
元にもどそう
弾丸は眼に見えないものである
逆算すると
幽霊には超高速のスピードがあるから見えないということになる
宇宙の果てが見えないのも
そこが想像もできないくらい超高速で
拡張しているからだと言えないだろうか
爪だって拡張している
伸びているともいうが
爪が爪切りでパチンと切られるように
宇宙の端っこもパチンと切り落とされているのかもしれない
宇宙くん、ハンカチは持ってきたか
端っこの爪はちゃんと切ってきたか
宇宙くんを取り締まる風紀委員がいたりするのかもしれない
元にもどそう
弾丸は眼に見えないものである
ぼくの恋人たちだっていつも超スピードで
ぼくから逃げて眼に見えなくなった
こんなオチ、いらんのだろうけど












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2017年11月16日

裏沢木



裏沢木が暗躍する闇の奥の階段下
沈殿と停滞と焦燥を許さないといって
裏沢木が手足を動かしている
森の中に小屋を作っているらしい
畑には陽気と快活と強靭を植えたが今年の育ちは悪いもよう
それは雨の日だった
田畑のような小説を読んでいるふうで
小説を読むときはいつも裏作者と話をするらしい
それはだるい曇り日
熱のこもった小説内テーマパークは
この世界の外側へ通じるやさしい迷路
酔っ払いやホームレスや妊婦や犬や猫がいる
絵の中のような雰囲気をかき分けて行けば
裏沢木は表沢木に会えるような気がしてくるのか
振り向くとやはり誤解だなとつぶやいた
世界には誤解しかないと言わんばかりに
裏沢木が手足を動かしている
こちらを見ている
君は誰だと問いかけたそうな顔で










posted by Hal  at 02:54| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

三段式



三段式がいいな
ホップステップ少年ジャンプ
というより
世の中だいたい三段式でなりたっている
食べる消化する出すのように
感じる言い寄るものにするのように
産まれる生きる死ぬのように
読む書く読まれるのように
ロケット発射とか、ワッハッハッと笑うときとか
時任謙作
軋轢、離別、和解とか
もういい、ええ加減にせえ、もう知らん
待ってくれ、考え直せ、謝るからさ

占い師が来て、あんた二年後に、大金持ちになってる、
知ってます、いや知らんけどそんな予感はします、ありがとう
感謝感激雨あられ
夏草や蛙飛び込む最上川
夏は外でやけにはなはだしく
汗ばんだ手の内にも夏はある
まるで私が夏にでもなってしまったかのように

三段式がいいな
ホップステップジャンプ代引き
というより
世の中だいたい三段式で火の粉パチパチパチ












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2017年11月14日

予言されなかった未来



今夜、予言されなかった未来が終わっていく
  
  月明かり、寄せてはかえす波の水音

昨日、明日と呼んでいたものが終わっていく
  
  ひっそりと、寡黙な星がまたたく水面







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2017年11月13日

本のない家



ある外国作家が、「本のない家は、窓のない家と同じだ」と言った。











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2017年11月12日

危険な男



女は危険な男に近づきたがる。

危険な男とはおれだ。よくガスを消し忘れる。







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2017年10月26日

脳はほんとうに君の友だちなのか



脳はノーとしか言わない
君を守ると称して
脳はほんとうに君の友だちなのかい

脳はノーとしか言わない
脳は錯視する、錯嗅する、錯誤する
君を守るという大義をかかげて

脳は薬を飲みたがる
君を安心させるために
でもそれは一時しのぎ、安心の前借り

脳はおのれの闇を見たがらない
闇の深遠には恐怖がいっぱいだから
でも恐怖を見れば病は治り始めるのに

脳はノーとしか言わない。
Yesの可能世界があんなに開けているのに
闇だって腐ったものだって真実なのに

脳はほんとうに君の友たちなのか
ならどうして君は傷ついている
脳は君を甘やかす甘い言葉の製造局

脳はノーとしか言わない
千の理屈をつけて 君にビビリをたっぷりくれる
振り返るなYesの世界に突き進め

脳は社会の朱に交わって赤くなる
それが脳のつとめ、誘惑者の罠、
汝、脳よ、裏切り者とはいえぬ裏切り者










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2017年10月22日

まだ行かないで



海の近くの 草の線路で のんきに舞っている
君のカデンシア 雨雲と

使者がほほえむ前に 傘もない
君の上に 降りだすよ

ぼくがいない架空の町に
君が行ったら そこはもう架空の町じゃなく
ヘヴンズガーデン 風のヘヴンズガーデン

君だけのんきに 笑っている
君だけ明るく 浮かんでいる

濡れたサルビア まだ行かないで
待って待ってて まだ行かないで
涙あふれて まだ行かないで
声が出ないよ まだまだまだって




手が届かない あと2センチが ずんずん遠ざかる
虚ろな闇を つかむだけ 

海辺を駆けて歌う だし抜けに
君の上に 降りだすよ

ぼくがいない冷たい空に
君か着いたら そこはもう冷たい空じゃなく
ヘヴンズガーデン 虹のヘヴンズガーデン

君だけのんきに 笑っている
君だけ明るく 浮かんでいる

濡れたサルビア まだ行かないで
待って待ってて まだ行かないで
涙あふれて まだ行かないで
声が出ないよ まだまだまだって









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体は野性、脳は近代



 体は野性、脳は近代。
  
  現代人の身体は二つに引き裂かれていて、
   
    そこから悲喜劇は生まれる。 







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2017年10月20日

古い物語にさようなら



神の姿が見えようと見えまいと
たまには雨に打たれながら
自分の大掃除をしてみたらどうだ
なにもそう大声でわめかなくても
自分の内部に掃除機ぐらいはかけられるだろう
ガラクタは貨物用エレベーターで意識下の倉庫に
運ぶんですかって訊いているのかい?
そうじゃないんだ
すべて外部に運び出すんだよ
そして捨てるんだ
粗大ゴミの回収券なんか買わなくていい
みんな雨に流せばいいんだ
するとね、今まで見えなかった自分が見えてくる
灰色の傷口なんてなかったってことがわかる
ガラクタにさようなら
古い物語にさようなら
口癖の毒フレーズにさようなら









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2017年10月16日

泥水で洗う



若くてまだ行き当たりばったりのころ

ぼくの思想は体に不釣合いだった

だからぼくは ぼくの思想を泥水で洗わなければならなかった

ぐずぐずしてはいられなかった

見よう見まねで 身をよじって 洗った

気の遠くなるような時間を使って

不器用に洗えば洗うほどそれは黒くなり

やがて消えていった

そしてぼくは空っぽになり

夜空の星を眺めるしか能がなくなった

今だからわかることもあって

空っぽは空っぽなりに一つの思想なのだ

詩という思想を読み出してずいぶん長い年月が過ぎた

書くのはときたま気が向いたときだけ

自然がやさしい顔をみせたときとかに

二、三日ためらっていたのが嘘のように

感じられたときだけ

詩は、あとからじわじわ効いてくるような何か

待ちきれずに やってくる










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2017年10月15日

カレー



晴れときどき猛暑、えっ? 砂漠じゃん。

   砂漠でも 愛してる。









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2017年10月14日

おにぎり



やさしくこぶしを振上げた君はぼくの応援団

そのこぶしのようなおにぎり ありがとう








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クソったれ



真ん中も端っこもあるもんか、クソったれがあるだけだ。







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ぼくのからだ、ぼくのこころ



謎が謎を呼ぶぼくのからだ、ぼくのこころ

疾走するぼくのからだ、ぼくのこころ

クミン、タイム、フェンネル、ナスタチウムを食べ

カモミールを飲むぼくのからだから発生する

ぼくのこころはどう変わる 

トンネルに入り地下街を抜け

空を飛び連絡船に乗るぼくのからだ、ぼくのこころ

友だちの死に泣き友だちの彼女と寝る

ぼくのからだ、ぼくのこころはどう変わる

老いは新たなワンダーランド

そこにおいても謎が謎を呼ぶ

ぼくのからだ、ぼくのこころはどう変わる








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2017年10月13日

アニメのような男と女



男は女々しくはずれ券を破り、女は雄雄しく腹筋を鍛えていた。

男は生きる資格をとるために優しさを身につけようとしていた。

女は一人前の雑誌記者になるために突っ走っていた。

戦えない男は震災ボランティアへ、戦いたがる女は取材旅行へ。

2012年、二人は三陸の奇跡の一本松の下で出遭う。

一本松を見つめて、男は、

自分のなかに深く根をおろしていた劣等感がいかに根深いかを感じる。

女は生まれて初めて底知れぬ空虚感を感じてパニックになった。

二人はほとんど枯れかけている松の幹に手を伸ばし、そっと触れた。

まるで時が飛んで女の膨らんだおなかに優しく触れるように。













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2017年10月11日

メタファーで見よ



『 世界も自分も、メタファーで見よ 』







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2017年10月10日




心を浮き立たせる魔法使い、あの詩は忘れない。









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2017年10月07日



緊急生放送!神が自首しました〜!







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2017年10月01日

看守長



もう数十年も監獄の中だ。くそッ、娑婆に出てみたいぜ。

またやって来た、鬼のような看守長だ。近づいてくる足音が

聞こえる。警棒をドアからドアに這わせて不気味な音を

響かせるのがヤツの癖だ。

おれはヤツの顔をまだ見たことがない。

隣まで来た、そして今、おれの監房の覗き窓を開ける。

初めてヤツの顔を見たとき

おれは魂が腰を抜かすほど驚いた。

ヤツの顔はおれの顔にそっくりだった。

おれを監獄にぶちこみ、見張っていたのは、

おれ自身だったのだ。









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2017年09月30日

人生とモノ



人生はモノでできていない、モノの反映でできている。







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2017年09月29日

宿無し



無責任でいい。人間は責任をとるために
生まれてきたのではない。
いい加減でいい。いい加減になってときどき
人間に戻らないと。
ホームレスでいい。宿無し興道も、西行もホームレス
だった。
現代では衣食住が豪華すぎて、
人はいっときも無責任やいい加減さを楽しめない。








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2017年09月25日



純文学はオートクチュール、娯楽小説はプレタポルテ。








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2017年09月22日

普通であるという暴力



「正義」という言葉が暴走した先には悪性ナショナリズムや
独りよがりの価値観に行きつく。
「正義」にふくまれている絶対性はすでに暴かれている。

そしてこんどは「普通」という言葉がふくんでいる絶対性を
暴かなければならない。
「普通」というとき、
そこには「普通でないこと」と「普通でない人」と
「普通でない状況」を
抑圧し排除しようとする心の暴力が存在する。

戦前は、男は兵隊さんになり敵をやっつけるのが
ほんとにほんとに普通だったのだ。
僕らが若い頃まで、いつでもどこでも
平気で煙草をプカプカやることは、
ほんとにほんとに普通だったんだ。
古代ギリシャローマだけでなく、古代はどこの地域でも
他の民族の男たちを皆殺しにし、
女たちを奪い子供を産ませるのが
ほんとにほんとに普通だったんだ。
今も普通のことはたくさんある。
たとえば発達障害の子供たちや大人たちを
「怠惰な人たち」とか「普通でない人たち」と決めつけるのは、
ほんとにほんとに普通のことなんだ。










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2017年09月17日

たったそれだけ



多くのことがあなたから隠れたところで動いている。

水たまりにも鏡にも映らない。

あなたに見えないところであなたの運命が作られる

見えるところは限りなく狭く、旅がしたくなるほどだ。

あなたの目の前だけです。

たったそれだけ。

赤い砂漠、秘境の滝、島への電鉄、映画の裏側、

政治の裏側、町工場の機械、子供を売る悪いヤツら、

彼女が泣いている部屋、事故現場、病原菌研究所、

惜しいことに、なにも見えない。

見えるのはスマホで写真が撮れる料理だけ。

たったそれだけ。

あなたの傷のその奥のことですら見ることができない。

見たこともない知らない人がちょっと動くだけで

あなたの運命がかわり、傷つくということも

ひんぱんに起っている。

ひるがえれば、あなたもまた人の運命を変えている。

変えられた人に気づかれることなく。

それは宿命である。

人の手で操作できる類のものではない。

たったそれだけのこと。











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町工場



凄いものを見た。NHKノーナレ『町工場×テクノ』。
町工場の機械のノイズと機械のリズミカルな作動を
録り撮ったミュージックビデオの制作現場だ。
カチャカチャトンチャー、カチャカチャトンチャー。
町工場の機械がアップで美しく映し出される。
秒速でバネやネジが製造されていく。
同じ製品を瞬時に作り出し、
数千数万個が下に貯まっていく。
バネの新しい機械の設定をする技術者は理系ではなく、
元円盤投げの選手。
そこで冷や汗が出るほど驚いた。
バネの形をみるとまるで
円盤投げ競技の選手の動きと同じだと思ったからだ。
クルクルまわって円盤を放擲する動きは
バネのぐるぐる巻きとバネの先に出ている2センチ程の
直線とまったくの類似をみせている。
この元円盤投げの選手はどういういきさつでこのバネの
工場で働き始めたのか?
これはかなり不思議だなあ、ぼくには。
バネ会社の社長インタビューで社長はいう、
「無意識にボールペンの頭の突起をカチャかチャ
させる人がいるでしょう、あれはもうすでにラブバネ
なんですよ。
ペンの中のバネの弾きと音に魅了されているんですよ」
これってアフォーダンス哲学による指摘みたいだ、
とぼくは思う。
環境と物が人間の行動にあたえる影響についての
研究をアフォーダンスというからね。
そうか、人はみんな〈ラブバネ〉なんだなあ。
町工場の人たちはみんな機械に魅入られているようだ。
機械に恋している。
機械は女、切り替わりの素早さと鋭さ、女だ。
冷たい女、
そして機械を前に働く男たちはマゾ的だ。
機械との反復の日々の流れのなか、
ときどきウザいと思うことがあるのかもしれない。
しかしどんなに抵抗しても離れられない。
腐れ縁になることもある。
カチャカチャトンチャー、カチャカチャトンチャー。
幾星霜が過ぎれば、新しい機械が発売される。
男たちは迷わず
どんなに高くてもそれを導入する。
新しい女、新しい動き、新しいノイズ。
カチャカチャトンチャー、カチャカチャトンチャー。
世界はくり返し。
種植え−成長−収穫、農業もくり返し。
受胎−成長−出産、生殖もくり返し。
誕生−成長−死、人生もくり返し。
すべてはくり返し。
カチャカチャトンチャー、カチャカチャトンチャー。

















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2017年09月16日

身体という大家さん



無意識、不随意筋、自律神経などという機能がある。
胃腸、心臓、身体器官のほとんどは放っておいても
勝手に仕事してくれる。
だから私という意識は身体という家に間借りしていると
思った方がいい。
身体さんありがとう。
私たちは身体という家主にきちんと家賃を
払わなければならない。
それは健康的な食事と良い睡眠と運動だ。
家賃滞納は許されない。
そんなことをしていると
いつかあなたは家から追い出されることになる。
身体とはつくづく論理的なものである。






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2017年09月15日

隠すということ



国には地理的国境と抽象的国境がある。

抽象的国境は、言語、文化、習慣、

そして隠すということ。

個人の境目は身体を空間から仕切る皮膚である。

その境目の内部を、秘密を、喜びを、不安を

隠すということが個人を個人たらしめている。









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2017年09月12日

ツキノワグマ



ツキノワグマは、

森で見つけたメスの子熊をまず殺してから交合する。

サイコパスのシリアルキラーだ。

自分の子を殺したオス発情するメスもメスだが、

うーん、この世のことをいろいろ考えさせられる。







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2017年09月09日

脳は本当に僕たちの味方か?



脳は水分70%、痛みを感じるレセプターがない。

 一日7万回の思考をするが、

  ほとんどが昨日と同じ思考で、
   
   自動的になされてしまう。

 ということは、わたしたちは自主的には

  思っているほど思考していなくて、

   髪の毛が勝手に伸びるように、

 何回も繰り返し定番のことばをころがされている。

   むかし図らずもセットされた言葉が

    わたしたちをずーっと支配し動かしている。







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2017年09月06日



恋もテレワークで







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2017年09月03日

英語タイトルも楽じゃない



NHK海外放送版を見ていれば番組の英語タイトルが
なじみになる。

たとえばこういうのがある。
「所さん!大変ですよ」だと「Tokoro-san, It's an Incident.」
「大変ですよ」が、「事件ですよ」と表現されている。

テレビ番組のタイトルはどんでもないものが多いから、
翻訳者も楽じゃないと推察する。
次のタイトルたちもニュアンスが伝わるいい訳で面白い

ブラタモリ                   Strolling with Tamori
歴史秘話ヒストリア        Historical Anecdote
日本人のおなまえっ!    Explore the Deep World of
                                                       Japanese names!
美の壷                       The Mark of Beauty  
趣味ドキッ!                Hobbies Sparkle Your Life!
ガッテン!                   Science for Everyone!
ねほりんぱほりん          Be Inquisitive!


好きな番組の一つである『おんな城主直虎』の英語タイトルは
こうである。 『Naotora: The lady Warlord』。
なるほど。 
わたしはふざけて、こう付けてみたい気がする。
『The Lady Samurai CEO: Naotora』。

昨日から始まった『植木等とのぼせもん』は
のぼせもんの意味がわからないのか、あるいは
うまく訳せないのか、単にPupil(弟子)となっていた。
わたしは原作者小松政夫さんと同じ博多出身だから
のぼせもんの意味はよくわかる。
わかっても普通にThe Exiting Active Boy としか
訳せない。これは宿題だ。










     
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英語のボルヘス



https://www.youtube.com/watch?v=bNxzQSheCkc&t=2277s

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詩人という職業



近代詩があんなにも同胞を求め、交流の神となりえたのに、

現代詩はあっという間に言葉による引きこもりになってしまった。

それは詩人という職業が昔も今も食えないということと無縁ではない。








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体は野性、脳は近代


○ 体は野性、脳は近代。
  現代人の身体は二つに引き裂かれていて、
   そこから悲劇は生まれる。 

○ 無菌ファンタジーの日本では、
  体は不安(危機)を求めている。

○ 体は生き残り(免疫力アップ、健康、長寿)
  を図るために不安を求めている 

○ 脳で不安を抑圧してはならない。

○ 体が求める不安を脳で認め、
  心で受け入れてやる。

○ 少しずつ不安を友とし、不安を不安ちゃんにする。

○ 不安を不安ちゃんにしたとき、神経症は消える。

○ どんなものも逃げれば追いかけてくるし、
   逃げなければ消える。

○ 不安を拒絶し、抑圧し、それが内向きになれば
  鬱病として現象する。

○ 先進国ではない外国では「安全安心」などという言葉を
  聞かない。言葉を聞かないということは、
   無菌ファンタジーがないということだ。
  
○ 日本をはじめ先進国のメディアだけが「安全安心」を
   叫び続けている。

○ この世界の見えにくいルールの一つは、
  良いことは悪いことにもなり、
   悪いことは良いことにもなる。







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2017年09月02日

Competition-free Homeless


人類出現以来、地球環境は人類にとって競争世界であった
ことは否定できないし、
社会環境となっても競争は宿命であった。
そのような環境と歴史のなかで、
競争社会が意識を自意識へと肥大化させてきた、
とわたしは考えている。
(ついでながらAIマシンに競争原理を導入すれば
 意識が発生しますよ、と意識研究の大学研究者には
 提案しておきたい)

働き方改革の失敗の連続が日本の歴史であった。
働き方改革が日本で難しいのは、
死を賭して頑張りすぎる武士の歴史が長かったためである。
それだけ日本では生存が困難であったことの
証左でもあろう。
現在働き方改革に本腰を入れている日本だが、
競争原理社会から半分ステップダウンしない限り
成功しないことは肝に銘じておくべきだ。

現代において競争原理から半分ステップダウンして
いる層は存在する。
主婦/主夫層、新型ヒモ、ホームレスなどがそうだ。
このなかで未来社会の脱競争原理層になる可能性が
高い中心的形態は、ホームレス層、
とりわけ知的高レベルのホームレス層である。
この知的ホームレス層は非生産的であり
かつ生産的であるという今までになかったあいまい層を
形成する。
少なくとも消費を支える役目は果たすだろう。


競争社会というのは、知的/経済的競争社会という
ことだが、原始共同体の時代から長い歴史のなかで
その競争社会が肥大化させた欲望(自意識)を
縮小させるのはなかなか難しい。
歩行ができない人が存在するように
競争ができない人が存在する。
歩行ができない人でも生きる権利があるように、
競争ができない人にも生きる権利がある。
現代人の常識的義務である競争は
誰にでも適した環境ではない。

未来の知的ホームレスというのは衣食住
(住はホームレス的設備)および医療と
公的設備利用等を保障された上での
生活形態となろう。
それはAIロボットが食糧などの生活必需品生産を
完全に担えるようになってはじめて可能となろう。
もちろん自己向上のために競争が
必要な人たちもいる。
そういう人たちのために競争社会が残されるのは
当然だ。
したがって未来社会は、伝統的競争社会と
ホームレス領域(知的ホームレス社会)が共存する
複層世界となっているであろう。
わたしたちは未来のホームレス領域を想定しながら、
現代のホームレス政策を進めていくべきだ。





  
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2017年09月01日

2117年のホームレス領域



みんなで未来派ホームレスになろう

      ―シンギュラリティの遙か彼方に








   
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2017年08月31日

先延ばしの人へ



世の中に生まれたときから怠惰な人間はいない。
生得の性格として何事も先延ばしにする人間などいないのだ。
育つ環境のなかで、怠惰心を生む言葉を脳内でくり返してしまう
クセを身につけてしまっているだけだ。
さあ、脳内のブレーキ言葉の断捨理をしよう。
先延ばし正当化系の言葉、悪魔の誘惑系の言葉、
どうせダメ系の言葉を取っ払おう。
嫌だなあと思うことからすぐやる。
見る前に跳ぶ、考える前にやる。
そのクセをつけよう。
先延ばしにしないクセをつけたら、
すべてが好転する。
辛いことでも嫌だなあと思うことでもさっさとやることができれば
もう一つの問題であった「プライドと自意識を捨てる問題」も
いつの間にか解決しているだろう。
グズは変えられる性格である。
グズは崩すことができるシステムであり構造である。
グズと怠惰と先延ばしと自意識過剰の問題は同一地平にあり、
その地平はナルシシズム、劣等感、集中力欠如、
内気の問題へと伸びている。
だから、先延ばしにしないクセをつけたら
すべてが好転するのだ。







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人生に必要な知恵はすべてボルヘスの書物で学んだ。








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2017年08月30日



歴史はくりかえさないが、歴史の構造はくりかえす。















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肉体労働は買ってでもしろ



落合陽一、イキがいいなあ。
鮮度抜群というか、まな板の上で
まだがんがん跳ねている鯛というか、
ここ二十年の「失われた二十年」、「民の鬱」、
「デフレマインド」、「ポストモダン以降の空白」、
「信長不在」という日本のダークな日々にぱっと光がさしたような
あんばいである。
失速中の先行評論家に雇用機会を与える材料にもなっているから、
ちょっとした活気も提供している。

懸念材料もある。メディアアーティストといううさんくさい肩書きである。
すぐにハイパーメディアクリエーターの高城剛が頭に浮かんだ。
悪いわけではないが続かないだろうと思われるし、失速するのは
目に見えている。
それはあっという間にメディアでも裏メディアでも消費されてしまうからだ。
神経科学なのに日本で脳科学といってデヴューした茂木健一郎のように。
失速が目に見えているのは、何とかアーティストというのが
うさんくさいからである。
それによりマスレベルで信頼性が徐々に失われてしまう。
うさんくささは失速または墜落を引き寄せる。

時代のヒーローというのは時代を煽る人である。
しかしそもそも煽る対象としての時代に大いなる不安があることが前提だ。
戦前の日本陸軍にとっての煽る時代は、戦争であったし、
戦後の学生にとっての煽る時代は、全学連革命であった。
今はもちろん、近づくシンギュラリティを前にネット&AIが煽る対象である。
落合陽一もまた煽る人である。
思想の音頭とりである。思想の欠陥は気にならない。
音頭とりの活きのよさがすべてだからだ。

しかしメデイアアートはつまらない。
猪子のアートのつまらなさの延長線でしかない。
ユーチューブのテクノロジーの動画にはぶっとんだものがごまんと出ている。
『2001年宇宙の旅』の原作者も映画作家も煽る人だったのかもしれない。
しかし2001年はとっくの昔に過ぎ去っていて、
地球の知的世界はまだまだ幼稚園状態だ。
SFの人たちはみんな時間の速度を勘違いする。
「民の速度」が理解できていないからだ。
SFの知的な人たちが机の前で妄想するほど
世界は高速では進まない。
落合陽一の速度を失速する日まで民はエンジョイすればいいのである。
もちろん少ないポケットマネーは巻き上げられるけれど。

夜、眠れないよなどと甘ちゃんで暢気なことをいってないで、
それはもう君は時代に半分食べられているんだから、
危機感をもって、走るなり泳ぐなり肉体労働するなり、
眠るための肉体的疲労を金を払ってでも獲得しないとね。
















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2017年08月28日

ホームレス領域



民の躁、民の鬱のファクターを導入しないで、
長時間労働を得意とするガンバルマンだけを欲しがる
ガラパゴス競争社会で、働き方改革を求めても
不毛の模索である。
例えば日本人の目で見れば、南米人はあまり働かない。
南米人にしてみれば、当たり前の仕事量はこなしている、
と反発するだろう。これは歴史と文化習慣とその国の
常識的生活形態の違いによるものでしかない。
日本の働き方がなぜ特殊かというと、
世界の中でただ一国、武士社会を形成していたという
過去を持っているからである。
武士的ガンバルマンは競争、自己克己、
修行的自己犠牲的行為が得意である。
これを嬉々としてやれるのがガラパゴス競争社会である
日本である。
「短時間労働やいい加減労働は企業倒産を招き、
日本が経済的に崩壊する」というのが、日本が日本として
まとまる以前から、おそらく2千年前から、
この日本、ヤマトの国の民に刷り込まれている恐怖である。
ここから抜け出さねば働き方改革は成功しない。
それでは会社(国)がつぶれる ― つぶれないけど、
たとえつぶれても他の道で人は生きていけますよ。
これが基本で、この基本に転換しなければいつまでも
知的・経済的競争社会の単層社会から脱し得ない。
では具体的にどうすればいいのか?
そのためには、私の用語である「ホームレス領域」を創造して、
知的・経済的競争社会と合わせ複層社会にすることが
その解決法である。(続く)





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2017年08月26日

KMB48



パラダイム分析もしてしまう全方位批評家の
東大スターアイドル系といったものがあって、
AKB48なんかと同一位相で語ることができそうだ。
一般の評論家には見られないキラキラした目で
差別化をはかっている。
駒場ならKMB48ってところか。
両業界は同じように厳しい競争に曝されている。


小林、平野、加藤、中村、大江、澁澤、磯崎
荻、蓮実、柄谷、種村、川本、寺脇、
四方田、松浦、内田、宮台、茂木、東、野崎、
三浦、古市、林、安宅、猪子、落合、・・・
(忘れているスターがいたらごめんなさい)

選挙で一票投じたいのは大御所養老先生。
養老先生の話はずんと安定感があって独特のリズムが嬉しい
しかもほとんど古そうなのに
新しい表現に磨きがかかっている。
虫好きもハンパない。
そうなのか、虫好きというのは愛好者同士で虫を盗むのか。
昔の知識人はみんな虫好きだった。
そして昔の小説家はみんな遠洋漁業船に乗った。
なぜなんだろう。
理由はそれぞれみんな違うというのでもなさそう。
科学が急速に進むにつれかえって不透明性に侵食される中で、
新星の構造読みたちはパラダイム激流に責め立てられて
なんだか痛々しさを感じる。
批評家消費時代のせいでもあろう。
それでも第一線から落ちないというのはさすがだ。
いったんスローダウンしてもしぶとく浮上してくるレジリエンスを
われわれ同国人が讃えなくて誰が讃えるだろう。
悲しい現実だけど、
日本の小説家や漫画家や理系研究者を別にすれば
日本の全方位批評家やKMB48的知識人を賞賛する人など
世界には皆無なのだ。






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深化



少女マンガでの胸キュン仕草の深化がすごい。
どんな分野でも、君がそれほどの深化に近づけられれば
成功まちがいないだろう。
お姫様だっこ、壁ドン、袖クル、あごグイ、でこピタ、頭ポン、
バックハグ、NHK、ねじポケ、不意パシャ、耳つぶ、
カーテン形、腕ゴールテープ。

私の時代だと、
二人ではなく、ひとりパフォーマンス。
ジェームス・ディーンの「ひとり自分ハグ」とか、
青春ものドラマの「膝小僧抱き」とか、「夕日さけび」。
それから加山雄三の「鼻横こすり」とか、植木等の
「こらまった失礼」もあった。
これは胸キュン仕草とは違うのであるが。

戦国時代には胸キュン茶器というものがあって、
信長はじめみんな熱を上げた。
初花、新田、楢柴、九十九髪茄子、曜変天目茶碗、
古天明平蜘蛛茶釜、天猫姥口釜。
1990年代には、古伊万里のような古ジーンズや
ナイキの中古テニスシューズが胸キュンアイテムとなった。

逆・胸キュンブレーンというのもある。
トランプ側近の面々だ。
元フリーパス首席補佐官、元バノン首席戦略官、
元フリン補佐官、ペンス副大統領、
元スパイサー報道官、コーン国家経済会議委員長、
元諮問委員イメルトGE会長、
元諮問委員フレージャー・メルクCEO、
元諮問委員マスク・テスラCEO、等々。
辞任組が多いが、こうやってトランプはトランプなりの
深化の領域に近づいている。
いつになれば富士を背にした清水の次郎長一家のような
胸キュンブレーンが勢ぞろいするのだろうか。
トランプ政権というのは歴史的には、しばらくのガス抜き
政権だから、気ながに数年待てばいいのだ。
ただけっこう頑張っている。
オバマ時代のピューリタン的・天保の清き改革的政策で
貯まった不満ガスを抜こうとする異化効果のスパークは
束の間しっかりと刺激を放っている。
少女漫画の腕ゴールテープの仕草でトランプは元ブレーンを
引き止め、ハートを射止めようとしているのかもしれない。



  



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本当の楽観主義者


バーで男が飲んでいた。
ボトルにウィスキーがちょうど半分あった。
悲観主義者ならもう半分しかないと思い、
楽観主義者ならまだ半分もあると思うだろう。
しかし本当の楽観主義者ならウィスキーをバーの
みんなにおごり、
ボトルを空っぽにするだろう。
そしてそのあと宝くじに当った友人がやってきて
新ボトルをプレゼントしてくれるに違いないと
信じているはずだ。











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超AIを祝福する第二の技術的特異点の記念年に

 発売が予定されている強力なそり味の驚異の百枚刃、

  これは超AIを生んだ知的チンパンジー用。

超AIにも知的チンパンジーにも抜かれていた人類は古AIと組んで…。









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未来社会で強いAIが死にたいと希望したとき、どないすんねん。

そんなとき現代の生命維持装置をはずすかはずさないかの安楽死の議論が役に立つだろう。

そして、『地球古文書を読め』との緊急指令が出される。





  

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2017年08月25日



働き方改革の失敗の連続が、日本史という物語である。







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2017年08月20日



霧の午後、

 形あるものに触れようとする天使の指から

    身に覚えの無い記憶がこぼれ落ちる。







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2017年08月17日



つらければ一時しのぎでもいい、

    この世に一時しのぎでないものなんてない。









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2017年08月14日



脳内を駆け巡る言葉は反乱軍、

   反乱を起こし、時に悲痛な苦悩をもたらす。









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お金が足りなかったんで死ぬのはやめた。







posted by Hal  at 12:59| Comment(0) | 一行文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日


岩とか河とか虹とかは、自信が湧くほど美しい、

   それは言葉が美しいのか、実体が美しいのか?










   
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2017年08月02日


ぼくの母は出べそなんかではない、
     
     いつもぼくの出囃子でいてくれた。





posted by Hal  at 04:50| Comment(0) | 一行文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


よかったらまた、石投げてやってください ― 流血小僧でした。





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2017年07月23日



どんどん出てくるねじれた過去の泥水シャワー






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欲しがりません勝つまでは、

      まだ勝つ気でいるのか66歳。














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2017年07月21日


糸は疾走し、糸は迷いこむ、

   陽射しふるえる赤煉瓦の前、糸は沈黙する。









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2017年07月03日



虫、石にかじりついても、

     雪椿の動きを見つづけるしかない。
















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2017年04月27日

幼年時の失敗


手より落つ

十円ころころ

溝の闇

使いのパンの

軽く悲しや












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2017年04月24日


好きといってよ、ちゃんと眼鏡かけてさ。












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いい子になんかなるなよ、ダメ男で手をうて。












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2017年04月05日

新潮社さん、ヘッセの新訳を!

ヘルマン・ヘッセといえば新潮文庫の高橋健二訳が一般的に親しまれているのではないだろうか。ところが、どうも読みにくい、理解できない箇所が多すぎる、また基本的に日本語が変だと感じていた。今回、三浦敦新潟大教授のウエブサイト「三浦敦研究室」を覗いたら、そういった疑問や違和感が氷解した。三浦教授は冒頭で、「実は、高橋健二は翻訳が下手だというのは、ドイツ語関係者の間では昔から言われていたことです」と書かれ、『車輪の下』の中の文章をいくつか例に引いて、他2名の翻訳者の訳文も並べ比較検討されている。確かに下手、ひどい日本語だ。高橋健二訳を長年出版している新潮社文庫は、真摯に新訳を考えるべきではないだろうか。前期作品ならまだしも、ヘッセの後期作品(シッダルータ、荒野のおおかみ、ガラス玉遊戯)は前衛的作品なので高橋訳ではほとんど読み進めなかった記憶がある。このまま放置してしまうと、ますますヘッセ文学、ドイツ文学が日本で読まれなくなるだろう。昔、『嘘つきクラブ』という米国文学の日本語訳を買ったことがあるが、内容がちんぷんかんぷんで全く理解できなかった。調べると翻訳者の女性教授は翻訳直後、ガンで他界されている。想像するに、翻訳第一稿のものを無理やり出版したような感じがしてならない。読めない翻訳書を販売するというのは出版社の詐欺行為だといったら言いすぎになるのだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
posted by Hal  at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月19日

過労死のバラード

やっぱり過労死問題は、心にガンとくる日本の
本質的問題だ。
最近、政府と経団連間で、
「残業月100時間未満」が合意されたということらしい。
でもこれは、基本的にゼロ近くにならなければおかしい。
仕事が終わらないのであれば、
残業ではなくもう一人雇うべきである。
ここからワークシェアリングと格差縮小の道も
開けてくるだろう。
働く側も残業代がなくなるから困るとばかり
言ってないで、
基本給をあげてもらう方向にいくべきである。
長い残業で稼ぐという問題ではないことを知るべきである。
働き方改革は時間があまった勤労者にその使い道が
問われるようにならなければ、働き方改革の意味が
ない。
ブラックの元祖は、「やりすぎという戦略」を
導入した信長である。
それ以来歴史的に見ても日本国全体がブラック
企業になってしまった。
死ぬまで働かせるブラック性が頂点に達したのが、
太平洋戦争である。
戦後だってそうである。
海外から眺めていればよくわかる。
仕事や企業利益よりも働く人の幸せが一番大事なことだと
いうことがどうしても分からないのは困ったものである。
案ずるより生むがやすし、やってみなはれ、
従業員数が増えても企業も日本経済も必ずさらに
活発になる。
なぜならそれは人々の幸せの上に成り立っているからだ。
だが、分かっているのだ、
日本のオヤジ層のメンタリティを総入替え
しなければケリはつかないということは。



過労死のバラード(奨学金から血が流れる)


何をのんきなこと言ってんだ、

運だってペストみたいに駆逐されてんだぞ

てめえに運なんかねえ、男に運なんかねえ

夢見んな、オシメ替えろ!

夢見んな、オシメ替えろ!

〈心のこもったおにぎり〉だと、Fuck  you!  

ただの携帯食、ただの携帯食、

貧乏に耐えるおめえを作製するための初めの一歩

男なら自分を見失って、赤ん坊のミルク代盗んで来い

男なら自分を見失って、赤ん坊のミルク代盗んで来い


内定サイテー、仕事イラネー、就活なんて奴隷の道や

内定サイテー、仕事イラネー、就職なんてAIにやれ

奨学金サイテー、大学イラネー、みんな保護で生きりゃいい

奨学金サイテー、大学イラネー、みんなで渡れ赤信号

日本まるごとブラック企業、おれたちに夢はいらねえ 

日本まるごとブラック企業、おれたちに過労死いらねえ




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2017年03月16日

幸福のスペック

『できる男と、できた女、二人はできている、

そして結ばれて子ができた』

「できる」の意味がみんな違う。この文章を見てると、

日本語学習者も大変だなと思う。逆も真なりで、スペイン語も難しい。


よくできた女と結ばれないと男は困ることになる。

困ったちゃんでは困りものだ。しかしほとんどの場合

自業自得というか、お互い様なのであって

女を困ったちゃんにしたのは、困った男なのである。


カーヴァーは詩に書いている。

「妻は僕をほかの誰かと取り違えているのではないか?

 頭には夢ばかり詰まって、語るべき中身もないくせに、

 『君のこと永遠に愛するよ』とかなんとか、心から女に

 誓っているような、どこかの若い男と。指輪やブレスレットを

 くれた男と。いいかい僕とその男とは別人だよ。

 だからさ、彼女は僕とほかの誰かとを取り違えているわけだよ」

ただ、カーヴァーだってまけずに困ったちゃんではあったんだけど。


「あいつは幸福について、あるいは幸福の物差しについて

考えすぎなんだよ。自意識過剰ってあるけど、きっとそれは

幸福意識過剰なんだよ。それは自分と人の幸福を比較することしか

考えないつまらないことじゃないか。頭の中ででっち上げた

幸福のスペックにぴったり合うものなんてないのにさ」

おれは別れた女たちにそう言いたいんだけれど、向こうさんだって

似たようなことを言おうとしてたんじゃないのかな。

もう遠い昔のことで、ほんとうのところほとんど覚えちゃいないんだけど。  



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2017年03月12日

わかったか、わかったらもう行きな。

すげえ御大だよなあ、あのボルヘスという爺さんは。
ものごとの類似性を発見することにかけちゃ、
比喩の匠、比喩の人間国宝村上春樹様もちょっとシャッポを脱ぐって
いうふうじゃねえのかい。
他でもねえ、あのボルヘス爺さんが言うにゃ、カフカの『城』は
永遠に城に到達できないという点で、
「ゼノンの矢」と同類だってんだ。
いくら人間の脳が類似を探す思考をするからたって、こりゃ
恐れ入谷の鬼子母神、驚き桃の木21世紀、ついでに、
夏草や蛙飛び込む最上川てなもんだぜ。冷たくて気持ちいい漂流。

このボルヘスの発見を読むという体験は、まるでカーヴァーが書いた
詩行、

「突然、滝への新しい小径を
 僕は見つける。」

その詩行が放射してくるぴかぴかに輝く驚きに似ている。

詩を読んで冷たくて気持ちいい漂流のさ中などに、
「ああ、どこかにいい女はいねえかなあー」と私ども老人も
16歳の自分のように思うわけですが、
その16歳の自分は、さほど私どもの先駆者ではないのです。
ちょうど、ボルヘスが言うように、『観察』を書いた初期のカフカが、
さほど、陰鬱な神話と残酷な制度の作家であるカフカの先駆者では
ないように。


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2017年03月08日

一人称としての「自分」と二人称としての「自分」

関西あたりでは「自分」という言葉を一人称としても二人称としても使う。
なぜなんだろう。
相手も私も同じだということを言いたいためか、
相手の「自分という内部」を私も共有していますよという
親しみを込めた接近の態度表明なのだろうか。
なんともややこしい言葉だ。
エスキモー族には「氷」という単語がないといわれるが、
当たり前すぎる他者、周りに多すぎるほど存在する他者にはそれを指示する言葉は
不要ということだろうが、
関西地方の「自分(あなた)」は、どういうことになるのだろう。
エスキモーの「氷」の場合とはあまり共通点はなさそうだが、類推はしやすくなるような気がする。
「自分(あなた)」は、無意識の内に「あなたは他者として区別したくない親しい他者」なのかもしれない。
ところで、こうややこしい使用法だと、外国人は戸惑うに違いない。
日本人ならイントネーションで一人称か二人称かは判断できるようだ。
そんなことを考えていると、「自分」の一人称使用と二人称使用を区別する方法を発見したので、
日本語を学んでいる外国人のために書き留めておきたい。
つまり、「自分は」とか「自分が」とか、助詞が付くときは、一人称である。
そして、「自分」と助詞を付けずに言うときは、二人称としての使用である。
ただし、「自分も」とか「自分やxxや」と言うときは、どちらにも使っているようだ。
ここまで考えてきて、思った。区別法は必要ないと。
「自分」を一人称で使っている人は、二人称は「お前」とか「あんた」とかを使う。
また、「自分」を二人称で使う人は、それを一人称には使わず、「おれ」とか「私」とか言うのだと思う。
二つとも「自分」を使う人がいたら、きっと本人自身がややこしいなあと閉口するにちがいない。

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2017年03月07日

これは何かの間違い

無限は永遠としか結婚できないし、しない。愛しているのだ。

どこからともなく銀色の調べが流れてくる教会で

簡易で抽象的な式を挙げたあと、

無限と永遠は新婚旅行に巨大カジノパークへと旅立つ。

そこで無限は、〈完全な球体〉と呼ばれている

賭博マシーンで遊ぶ。

彼は休みなくどんぐりを齧るリスのように夢中になった。

観念というコイン状のものを〈完全な球体〉に入れて

異教の神が三体横並びに揃うと

目をみはるばかりの〈無垢なる調和〉を

勝ち取ることができる。

むろん負ければひどいことになるのでうかつに手は出せない。

天国か地獄か。

しかし無限には心の奥底に何か欠損があった。

ふとした弾みに、無限が有限に変容する魔の瞬間が

ときおりあったのだ。

無料のカクテル〈深淵の沈黙〉を飲み、

紅い口紅をひいたサービス係の脚の聖性を盗み見しながら、

全観念をつぎ込む。

しかし案の定負ける。

その夜、永遠は異国の歓楽街に売られていく。

無限は自棄酒を食らい、一晩中泣く。

あとに残ったのは凍りついた銀色の音符だけだった。





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